7月13日(金)「シマロン」

「シマロン」('31・米)監督:ウエズリ−・ラッグルス 原作:エドナ−・ファ−バ− 出演:リチャ−ド・ディックス/アイリ−ン・ダン
★1931年度のアカデミ−賞において、作品賞と脚色賞を受賞した作品。エドナ−・ファ−バ−の名作小説の映画化である。
土地の分割占有権を決める競争に加わった主人公は、数千の各種の車馬の中で健闘するが、若い娘に欺かれて、目指していた土地を占有されてしまう。しかし、そのことをきっかけに主人公はオクラホマに移住することを計画し、唯一彼の意見に同意した妻とともに新天地で暮らすことになる。そこで主人公は新聞社を設立することを決心する。紆余曲折の末、念願の新聞社を軌道に乗せると、突然彼は妻子を残したまま街から消えてしまう。数年後彼が戻ってきた時は軍服姿で、以前にも増して、y社会の為に尽くす信念は強固になっていた。DVDの解説文より。

◎主人公のヤンシ−・クラバットを演ずるリチャ−ド・ディックスという役者には、まるで歌舞伎役者のような眼ヂカラがあって、その只者でなさげな存在感がかなり荒唐無稽な主人公の行動を納得させてしまう。物語は何もない所に出来たオクラホマの町が、近代都市にまで発展して行く有様を描く大河ドラマなのだが、主人公の妻で新聞社を受け継いで発展させ、後には下院議員にまでなるアイリ−ン・ダンと、彼女を助けて新聞社を支える植字工のオジサンや、主人公に恩を着る雑貨屋の亭主や、街のうるさ型の御婦人やらの存在が物語にリアルさを与えている。呑気呆亭