6月2日(土)「黄金時代」

「黄金時代」('30・仏)監督:ルイス・ブニュエル 出演:ガストン・モド/リア・リス
★モド扮する男と、リスが演じる侯爵の娘との間にかよう“狂おしい愛”の描写。宗教、慈悲、純潔、男女間の愛欲、儀礼、社会通念といったものに対して、ブニュエル特有の痛烈な批判を投げかけた、ト−キ−初期のアヴァンギャルド映画の代表作。シュ−ルレアリスム画家・ダリとブニュエルが共同で脚本を書いた。

◎批評家連には評価の高い作品だが、一観客としては訳の分らない作品であって、その深い意味を悟れぬのだといわれれば一言もないのだが、敢て言えばこれは愚作である。スタイル的にもサイレントとト−キ−の手法をごちゃまぜにしていて垢抜けないし、主演の男女の狂恋にはまったく感情移入することが出来ないし、特にこの女の下司な色気には吐き気さえ覚えて、思わず早送りのボタンを押してしまったのだった。呑気呆亭