5月12日(土)「鞍馬天狗(活弁ト−キ−版)」

鞍馬天狗活弁ト−キ−版)」(’28・嵐寛寿郎プロ)監督:山口哲平 脚本:木村富士夫 撮影:田中十三 出演:嵐寛寿郎/中村竹三郎/市川小文治/山本礼三郎/尾上松緑
嵐寛寿郎がマキノプロから独立し、自分の嵐寛寿郎プロで主演した第1回作品。
杉作と桂小五郎によって大阪城内の水牢から救われた鞍馬天狗は、剣鬼・佐々木惟三郎や好敵手・近藤勇らと死闘を展開する。(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎昨日の「雄呂血」の立ち回りに負けるものかという気合で、アラカン剣劇は、カット割りでごまかすことなく延々と凄まじいスピ−ド感に乗って繰り広げられる。ここまで人間というものは動けるものかと只々感嘆するばかりだ。

この年嵐寛寿郎25歳、「雄呂血」の坂東妻三郎は製作年時24歳。昔のヒトは凄かったと言ってみたところで何も言ったことにはならないが、洋式トイレに座って用を足すようになってしまった我々とはまったく違う日本人が此処には居るのだ。それはもちろんアラカンやバンツマだけではなく、彼らに絡む捕手や侍を演じた無数の脇役たちと、そのシ−ンを演出しカメラに収めたスタッフたちにも言えることだと思う。呑気呆亭