6月4日(木)「ロッキ−」

「ロッキ−」('77・米)監督:ジョン・G・アヴィルドセン 脚本:シルベスター・スタローン 撮影:ジェ−ムズ・クレイブ 音楽:ビル・コンティ 作詞:エイン・ロビンス/キャロル・コナ−ズ 出演:シルベスター・スタローン/タリア・シャイア/バ−ト・ヤング/バ−ジェス・メレディス/カ−ル・ウェザ−ス
★無敵の黒人ボクサー、アポロ(ウェザ−ス)が人気取りのため、格下の相手と闘うことを宣言した。チャンピオンに挑戦するチャンスを与えることで、アメリカン・ドリームを体現しようというのだ。アポロのマネージャーたちは、選ばれたロッキーがサウスポーなのを気にかけ相手を変えるように忠告するがアポロは無視。かくして薄汚れた下町の中、ロッキーのトレーニングが始まる……。アカデミー作品、監督、編集賞を受賞しS・スタローンを一躍トップ・スターに押し上げた感動のスポーツ・ドラマ。トレーナー役のB・メレディスも味のある演技を見せる。売れない役者だったスタローンがムハメッド・アリと無名ボクサーの対戦に感動して、三日で脚本を書き上げ、本作で正にロッキーの如くアメリカン・ドリームを体現した話は有名で、シンプルなストーリーだからこそ得られる素直な感動があり、何度も立ち上がるロッキーの姿は、いつ観ても力がこもるパワーに溢れている。B・コンティのテーマ曲だけでも、泣ける。<allcinema>

◎“神は細部に宿る”というが、チャンピオンアポロの対戦相手に選ばれるまでのロッキ−のしがないボクサ−崩れのチンピラとしての生活を克明に描いたこの脚本は、まさに細部を生き生きと描いていてとても三流役者の初(?)シナリオとは思えないリアリティがあった。この前半があったからこそクライマックスの感動があるのであって、そのチンピラボクサ−の相手役のヒロインに、まるでアメリカ的でない地味な容姿のタリア・シャイアを選んだキャステイングも、この作品成功の一因であったと思う。ラストラウンドを終えた二人が共に“リタ−ン・マッチなんかやるもんか”といって抱き合うシ−ンには笑えたし感動もさせられたのだった。呑気呆亭