5月1日(金)「ガルシアの首」

ガルシアの首」('74・米)原案・監督・脚本:サム・ペキンパ− 原案:フランク・コワルスキ− 脚本:ゴ−ドン・ド−スン 撮影:アレックス・フィリップス 音楽:ジェリ−・フィ−ルディング 出演:ウオ-レン・オ−ツ/イセラ・ベガ/ギグ・ヤング/ロバ−ト・ウエ−バ−/エミリオ・フェルナンデス/ヘルム−ト・ダンティーネ/クリス・クリストファーソン
★メキシコの大地主が愛娘を妊娠させた男、ガルシアの首に賞金を懸けた。酒場のしがないピアノ弾きベニー(オーツ)は、情婦のエリータ(ヴェガ)からガルシアが既にこの世にない事を聞かされ、エリータと共にガルシアが葬られた彼の故郷を目指す。だが、同じく懸賞金を狙う男たちがベニーの後を追っていた。やがて、墓場に到着したベニーはガルシアの墓を暴こうとするが…。人生を諦めかけていた一人の男の、再起をかけた命がけの戦いを強烈なバイオレンス描写に託して描いたペキンパーの大傑作。腐乱したガルシアの首を提げて“男の生きざま”を見せるW・オーツは一世一代の快演。短いシーンながら、I・ヴェガと新しい人生を夢見るくだりなど、人生の悲哀を感じさせて胸を熱くさせる。何度でも書こう。魂震える傑作だ。
<allcinema>

◎ペキンパ−にしてはのっけからなにやら文芸映画風の映像ではてなと思ったのだが、まさかイセラ・ベガのために企画したのではないかと疑わせるほどに彼女が消えるまでは実に感傷的な描写が続いて、折角のオ−ツとメキシコという題材が活かされていないので、名優エミリオ・フェルナンデスもただのバカ親爺にしか見えず、マフィアという一種のエスタブリッシュメントに対するしがないピアノ弾きの怒りと叛逆のアクションに、やや感情移入しがたい思いがあった。呑気呆亭