4月24日(金)「ラスト・シュ−テイスト」

「ラスト・シュ−テイスト」('76・米)監督:ドン・シ−ゲル 原作:グレンドン・スウォ-スアウト 脚本:スコット・D・ヘイル/マイルズ・フッド・スウォ-スアウト 撮影:ブル-ス・サ-ティ-ズ 音楽:エルマ-・バ-ンスタイン 出演:ジョン・ウエイン/ロ-レン・バコ-ル/ジェ-ムズ・スチュワ-ト
★1901年のネバダ州。カースン・シティに、老境の名ガンマン、ブックスが現れた。腰の痛みを見てもらうため、旧知の医師ホステトラーのもとを訪れたのだった。医師の診断によって末期ガンに犯されていることを知ったブックスは、ロジャース夫人の下宿屋で最期の時を迎えようとする。だが、かつて西部に名をとどろかせたブックスを、周囲の人間は放っておかなかった。そしてついにブックスは、ガンマンとして死ぬことを決意する…。主演映画の名場面で彩られたオープニングが主人公の半生を物語るように、まさにJ・ウェインそのものといったブックスの設定にいきなり胸は熱くなる。古き良き西部時代の終焉に、自身の生涯をダブらせてウェインの遺作となったウェスタンの名編。デビュー作は選べても、遺作となるとそうはいかない。おそらくウェイン自身は覚悟はしていただろうが、この作品はその映画人生の最後を締め括るに相応しい忘れがたき一編だ。傍をサポートする名優陣も、アクションを抑え心情描写に徹したD・シーゲルの演出も、デュークの手向けとしてこれ以上はない素晴らしさだ。<allcinema>

◎町中をレ−ルに乗った馬車が走る。そんな町ではあるが牛乳配達のあんちゃんはまだ銃を腰にしており、伝説のガンマンが町に来たと知って勇み立つ。酒場ではギャンブラ−が25mの距離から刃向かってきた相手の心臓を撃ち抜いて賞賛される。時代は過渡期を迎えていてもう銃は時代遅れになっているのを薄々知りながらも、この連中はそれを手放そうとしない。末期ガンに侵された老ガンマンは彼らと共に銃の時代を終焉させるべく酒場での決闘に誘い込む。バコ−ルもシュチュワ−トも共に時代を過ごした者としてそれらのシュ−ティストたちを涙なしに見送るのだった。呑気呆亭