1月31日(土)「M★A★S★H」

「M★A★S★H」('70・米)監督:ロバ−ト・アルトマン 原作:リチャ−ド・フッカ− 脚本:リング・ラ−ドナ−Jr 撮影:ハロルド・スタイン 音楽:ジョニ−・マンデル 出演:ドナルド・サザ−ランド/エリオット・グ−ルド/サリ−・ケラ−マン/トム・スケリット/ロバ−ト・デュヴァル/ロジャ−・ボ−ウエン
朝鮮戦争のさなか、多忙をきわめる移動野戦外科病院の医師たちのクレイジ−な行状をスケッチ風にまとめたアメリカン・ブラック・コメディの大傑作。TVシリ−ズとしてもアメリカで大ヒット。原作者R・フッカ−は外科医の方が本職という変わり種。変わり種といえば、アルトマン監督の起用もそう(そしてこれは彼の最高作となった)。サザ−ランドとグ−ルドというコンビの主演もアメリカ映画として異色。のっけから流れる主題歌が“自殺のすすめ”を説くのだから、その異色ぶりも徹底している。(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎挿入される血まみれの手術シ−ンが主人公たちのプロフェッショナルさを際立たせ、合間に語られるハチャメチャな行状が漫画的ではあるがリアルな背景を与えられて、作品としての質を高めている。登場人物の中では頑なな外科医を演じるロバ−ト・デュヴァルの怪演と、「M★A★S★H」をそれなりに取りまとめて率いる大佐(?)役のロジャ−・ボ−ウエンのオトボケが秀逸であった。まだこの頃にはアメリカ映画にもユ−モアと知性がスタッフ・キャストにも共有されていたのだなと、改めて郷愁を感じたのだった。呑気呆亭