1月16日(金)「ジャズ大名」

ジャズ大名」('85・大映)監督・脚本:岡本喜八 原作:筒井康隆 脚本:石堂淑朗 撮影:加藤雄大 音楽:筒井康隆/山下洋輔 出演:古谷一行/財津一郎/神崎愛/岡本真美/唐十郎/殿山泰司/本田博太郎/今福将雄/小川真由美/小川真司/利重剛/ロナルド・ネルソン/ファレ−ズ・ウイッテッド/レニ−・マ−シュ/ジョ−ジ・スミス/ミッキ−・カ−チス/山下洋輔/細野晴臣/タモリ
★“日本にジャズがやってきたのは幕末だった!?”という筒井康隆の奇想天外な短編を、鬼才・岡本喜八が一種のやぶれかぶれスピリットで映画化した快作。もちろん、戦争なんかやってるより、ジャズをやってた方がいいという喜八式“反戦論”もキッチリと描かれている。船が嵐にあい、幕末の日本へ黒人3人が漂着した。駿河の藩主・海郷亮勝は黒人たちを助けて地下牢に保護するが、彼らの演奏するジャズのとりこになり、クラリネットを習い始める。やがて城中全体がジャムセッションに沸き立つなか、時代は明治へ移っていく・・・。ラストの10数分にも及ぶ地下牢ジャムセッションはいうに及ばず、全編が、疾走する快感を見る者に与えてくれる。(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎これほどアナ−キ−でハチャメチャな映画はこれ以前にもこれからも日本映画界に現れることはないであろう。何しろタノシイ映画である。おそらくジャズに造詣のある方々からすればこの「地下牢ジャムセッション」は噴飯物であるのだろうが、篳篥クラリネットになり、琴が縦に置かれてベ−スになり、桶がドラムになり、琵琶がバンジョ−になり、算盤が???になり、陣太鼓が叩かれ三味線が合奏され、果てはシャチ?の口蓋が打楽器になり、そこに日蓮宗でんでん太鼓が加わり“ええじゃないか!ええじゃないか!”の一団がなだれ込んで狂乱のジャムセッションが“世間のことなど知ったことか!”と延々続くのだった。呑気呆亭