11月6日(木)「俺たちに明日はない」

俺たちに明日はない」('67・米)製作:ウォ−レン・ベイティ 監督:ア−サ−・ペン 脚本:デビッド・ニュ−マン/ロバ−ト・ベントン 撮影:バ−ネット・ガフィ 出演:ウォ−レン・ベイティ/フェイ・ダナウェイ/ジ−ン・ハックマン/マイケル・J・ポラ−ド/エステル・パ−ソンズ
★不況時代のアメリカ30年代に実在した男女二人組の強盗、ボニーとクライドの凄絶な生きざまを描いた、アメリカン・ニューシネマの先駆け的作品でアカデミー二部門を受賞(助演女優賞エステル・パーソンズと撮影賞)。ケチな自動車泥棒だったクライドは、気の強いウェイトレスの娘ボニーと運命的に出会い、コンビを組んで強盗をやりはじめる。二人は順調に犯行を重ねていくが…。まるでスポーツを楽しむように犯罪を繰り返す二人の姿は、行いこそ異端であれ青春を謳歌する若者像そのままであり、犯罪者である事すら忘れ奇妙な共感を覚える。近年では、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」などに代表されるアンチ・ヒーロー物のオリジナルであり、他の追随を許さぬ一つの頂点を築いた傑作である。<allcinema>

◎公開時、頭をのけ反らせて笑うフェイ・ダナウェイの写真を見、物語の梗概を読んだけで、柄にもなく「ボニーとクライド」と題する拙い詩などをノ−トに書き付けたことを思い出す。それほどにこの物語は日常に沈湎する若い者にとっては衝撃的であったのだ。そして、実際に映画館で観て、ラストシ−ンにまたしても衝撃を受けたのだった。これはその若い者にとっては単なる映画ではなく脳裏に深く刻まれた記憶となったのだった。呑気呆亭