9月2日(火)「大鴉」

「大鴉」('63・米)監督:ロジャ−・コ−マン 原作:エドガ−・アラン・ポ− 脚本:リチャ−ド・マシスン 撮影:フロイド・クロスビ− 出演:ビンセント・プライス/ピタ−・ロ−レ−/ボリス・カ−ロフ/ジャック・ニコルソン
★ある晩、読書中のクレ−ブン博士のもとに1羽の大鴉が舞い降りる。ところがそれは、スカラバスの手によって鴉の姿にされたペドロ博士の化身なのだった。ペドロを人間に戻したクレ−ブンは、彼と我が子を伴いスカラバス邸に出向くが・・・。公開時のタイトルは「忍者と悪女」。(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎公開時のタイトルが「忍者と悪女」って、何のこっちゃ。ビンセント・プライスのクレ−ブン博士が小津安二郎作品の斎藤達雄のようにとぼけていて面白い。そのクレ−ブン博士に絡み付くペドロを演ずるピタ−・ロ−レ−の可笑しさは例えようのないモノだ。若きジャック・ニコルソンの活躍も嬉しくなる。そして何よりもボリス・カ−ロフの魔術師スカラバスと、一見頼りなげなクレ−ブン博士との魔術比べが迫力があって面白い。雰囲気的にはおどろおどろしい物語なのだが、音楽がコミカルなので少しも怖さのないアラン・ポ−であった。呑気呆亭