12月20日(金)「帰らざる河」

「帰らざる河」('54・米)監督:オット−・プレミンジャ− 原作:ルイス・ランツ 脚本:フランク・フェントン 撮影:ジョゼフ・ラシェル 音楽:ライオネル・ニュ−マン/シリル・J・モックリッジ 出演:マリリン・モンロー/ロバ−ト・ミッチャム/ロリ−・カルホ−ン/トミ−・レティッグ
★今世紀最高のセックス・シンボル、マリリン・モンロー主演の西部劇。アメリカの北西部にゴールド・ラッシュが起こり、あちこちにテント村ができた頃、そうした新開地の一つにマット・コールダーが今年9才になる息子マークの行方をたずねてやって来る……。この作品でモンローは、妖艶な酒場女と、ジーンズ・スタイルの気丈な女を巧みに演じ分けているが、彼女がこうした西部劇に出演するのは本作を含め数少ない。この映画で唄っている同名の主題歌“帰らざる河”は余りにも有名。<allcinema>

◎酒場でギタ−をかき鳴らしながら歌うモンロ−は実に妖艶である。そのモンロ−が一転してジ−ンズを穿き洗いざらしのシャツを着て筏で激流に挑まざるを得なくなる。同行のミッチャムに協力してその息子と共に筏の舵を操作して激流の飛沫を浴びている内に、酒場女としての脂粉が洗い流され素のオンナに戻ってゆき、自然の光を浴びても色あせぬ素肌の魅力を獲得するに到る。眠たげな目のミッチャムはあくまでも男らしく息子(トミ−・レティッグ)は健気で、この二人に家族として迎えられたモンロ−は、もう必要としなくなった赤いハイヒ−ルを捨て二人と肩を並べて馬車でホ−ムへ向かうのだった。呑気呆亭