10月25日(木)「スミス都へ行く」

スミス都へ行く」('39・米)製作・監督:フランク・キャプラ 脚本:シドニ−・バックマン 撮影:ジョセフ・ウオ−カ− 音楽:ディミトリ・ティオムキン 出演:ジェ−ムズ・スチュワ−ト/クロ−ド・レインズ/ジ−ン・ア−サ−
上院議員の空席を埋めるため担ぎ出されたのは田舎で少年団のリーダーを務めるスミス氏だった。だが議会の目論みをよそに、彼は必要以上の熱意で行政にあたり、やがて議員の汚職問題を知る事になる。腐敗した政治の世界にたった一人で抵抗する男の姿を通してアメリカン・スピリットを感動的に描く。議長のH・ケリー、スミス氏の秘書のJ・アーサーを始めとする助演陣の上手さもさることながら、主演のJ・スチュワートがMr.アメリカの印象を決定付けた素晴らしい演技を見せる。後半延々と続く(続けざるをえない)スミスの弁論シーンには、現実離れしていると思いつつ心打たずにはおられない。<allcinema>

アメリカでは特にフィリバスターオランダ語で略奪者・海賊の意味)と呼ばれ、主に連邦議会上院で、演説を長時間続ける手法がとられる。これは上院では議員の発言時間に制限が課されず、席に座らず立ったまま演説を続け、トイレなどで本会議場を出ないでいる限り、何時間でも演説し続けられるという伝統があるためで1789年の第一回議会から良心にしたがって発言できる審議形式は、上院の誇りになっているという。上院規則によれば、上院議員は本会議で何を演説してもよいことになっており、憲法を序文から最後まで朗読することや歌の歌詞や料理本のレシピを読み続けることが過去に実際に使われたという[1]。理論的にはたった1人の上院議員でも議決に反対している場合は、フィリバスターにより審議を遅延させることが可能であるため、フィリバスターを止める手段として、上院の5分の3以上の議員(60人以上)が打ち切りに賛成した場合は、1時間以内に演説者は演説をやめなければならないというものがある(討議終結決議:clotureクローチャー:第66議会会期中の1919年11月15日に導入)が、可決されることは稀であり、議会の多数派が折れるか、演説者の体力が尽きるまで継続されることになる。
このように、フィリバスターは体力を振り絞った必死の抵抗であること、そして映画『スミス都へ行く』で、主人公スミスがフィリバスターにより正義を実現する姿が描かれたことから、フィリバスターに対する悪い印象は少なかった。米国上院は伝統的に政党色とともに議員個人の選出州や思想信条をもとに討議する傾向にあり、弁士となる議員がフィリバスターをおこなっている間に、同調議員が多数派の切りくずしや取り引き工作、法案・条項の修正をもとめる交渉などを行う。
フィリバスターの最長時間の記録はストロム・サーモンド議員による24時間18分。フィリバスターをする目的は多数派からの譲歩を引き出すことである。(「Wikipedia」より引用 ) 呑気呆亭