9月25日(木)「牧童と貴婦人」

「牧童と貴婦人」('38・米)監督:ヘンリ・C・ポ−タ− 原作:レオ・マッケリ− 出演:ゲ−リ−・ク−パ−/マ−ル・オベロン/ウォルタ−・ブレナン/パッツイ・ケリ−
上院議員のひとり娘・おてんばのメリ−が、フロリダの別荘で、地方まわりのカウボ−イと知り合い、恋に落ちるというロマンチックなラブ・スト−リ−。政界の有力者で次期大統領の野心を持つ父は、大切な時期に娘がカウボ−イと結婚することによるスキャンダルを恐れて大あわて。なんとか結婚をやめさせようとするが。(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎冗談でついた嘘から始まった恋に心をときめかせる箱入り娘のメリ−が可愛い。その嘘をすっかり信じて恋のとりこになる唐変木のク−パ−が、いかにも柄に合っていて可笑しい。二人にとってはこれが初恋。深い霧の中を行く船上で、嘘を告白出来ぬまま進行して行く恋(“こういう気持ちになったらすることは一つだ”と唐変木がいう)の成り行きで結婚してしまうまでのやりとりは、誰しもが経験してきたであろう「初恋」を思い起こさせる。メリ−に恋をしろとそそのかす叔父さん役のハリー・ダヴェンポートが儲け役。善きアメリカの良き時代の映画であります。呑気呆亭