8月10日「ユタから来た男」

「ユタから来た男」('34・米)監督:ロバ−ト・ブラッドベリ 出演:ジョン・ウエイン/ジョ−ジ・ヘイズ/ジョ−ジ・クリ−ブランド/ヤキマ・カヌ−ト/ポリ−・アン・ヤング
★白馬にまたがり、ギタ−を爪弾き歌うジョン・ウエインが見られる貴重な西部劇。19世紀末ネバダの開拓途上の小さな街。ユタからやってきたジョ−ジ・ウエストンは射撃と乗馬の名手である。その腕を買われてヒギンス保安官の助手となり、ロデオ大会の裏で暗躍する悪党達の逮捕に協力することとなる。ロデオ大会のクライマックス、ジョ−ジはディフェンディングチャンピオンとの対決に勝利することができるのか?また悪党どもをやっつけることができるのか?ジョン・ウエインの爽快な若武者ぶりが楽しめる作品。

◎冒頭いきなり白馬にまたがりギタ−を爪弾きながら歌うジョン・ウエインが出て来て驚かされる。これではまるで日活映画の小林旭ではないかと見ている方がうろたえるのだが、幸いにしてギタ−の演奏はこの場面だけ。どんな構えで射っても当ってしまう銃の名手で、乗馬の名手。駅馬車を襲う悪党たちを追いかけて次々に馬から落して退治してしまう活躍ぶりは見事。西部で当時行われていたのであろうロデオ大会の再現シ−ンも楽しめる。もちろんすべてをジョン・ウエインが競技していたわけではないが、いかにも西部の開拓者たちの暴れ者ぶりが描かれていて、それだけでも資料的な価値のある映画である。呑気呆亭