6月29日(金)「大平原」

「大平原」('40・米)監督:セシル・B・デミル 出演:バ−バラ・スタンウイック/ジョエル・マクリ−/ロバ−ト・プレストン/ブライアン・ドンレヴィ
★ C・B・デミルの大作開拓劇で、今回はセントラルとユニオン・パシフィックの鉄道敷設競争が背景となる。東部からカリフォルニアまで、労働者を運びながらレールを敷くユニオン側の名物機関士の娘で郵便係のモリーがスタンウィックの役どころ。モリーは工事監督のジェフ(マクリー)と、彼の北軍での戦友でギャンブラーのディックの双方から愛され、ジェフを想いながらも彼の危機を救うためディックと結婚をする。その辺が話の芯で、デミルだから演出は大雑把だがバーバラは健闘して、モリーの男勝りな反面、繊細な乙女心をしっとり表現している。allcinema

◎この映画の眼目は勿論、スタンウイックの好演にあるのだが、それにも増して、いつも変らぬ良いかっこしい演技のジョエル・マクリ−を支える、監督助手のむさ苦しい凸凹コンビの怪演が楽しい。悪役のブライアン・ドンレヴィも相変わらず憎々しくて、そのくせ何処か愛嬌があるのが面白い。中でも面白かったのが、次々に西に向かって列車のレ−ルを伸ばして行く工事現場で働く労働者たちの軽快な動きが気持ちの良いものであった。呑気呆亭