5月29日(火)「戦艦ポチョムキン」

戦艦ポチョムキン」('25・ソ連)監督:セルゲイ・エイゼンシュティン 出演:アレキサンダ−・アント−ノフ/グレゴリ−・アレクサンドロフ
★世界映画史上の先駆的傑作。1905年黒海で起きたポチョムキン号の兵士の革命的叛乱を、オ−ルロケによる記録映画的手法と独創的なモンタ−ジュ技法で再現。オデッサの階段上の民衆虐殺場面など、その斬新な映画表現は後世の映画人に多くの影響を与えた。(ぴあ・CINEMA CLUB)

モンタージュ理論が確立されたのはセルゲイ本人が一時期、日本人教師に漢字を習っていたからだという。漢字という象形文字の持つ抽象的な概念を描写的デザインに表現しているという基本コンセプトから、「身」と「美」で「躾」とか「口」と「鳥」で「鳴」になる等、全く別の意味になるという事に興味を持ったという。このコンセプトを基にモンタージュ理論を開発したという。(Wikipedia

◎久し振りに再見したのだが、迫力ある映像の面白さは少しも褪せていなかった。この作品の場合にはどうしても「オデッサの階段」のシ−ンが取りざたされるのだが、今回は“スプ−ン一杯のス−プのために殺された”水夫を悼むために、オデッサの街中から続々と埠頭に集まってくる群衆のシ−ンに驚かされた。その映像処理(モンタ−ジュ)の凄さもだが、集まってくるロシアの民衆たちの多様な民族性を帯びた風貌のリアルさが、この作品に記録映画的な真実性を与えたのだなと思った。呑気呆亭