5月1日(火)、初日/「キ−トンの大列車追跡」「キ−トンの船長(蒸気船)」

◎倶楽部・「映画館」オ−プニングの映画は、映画の王様バスタ−・キ−トンの作品にしようと当初から決めていた。その作品の中から何を上映しようかと少し迷ったのだが、ここはやはりオ−ソドックスに行こうと「キ−トンの大列車追跡」(’26・米)に決めたのだった。

当日は友人たちが来てくれたのだが、その内一人が遅れたので、本編上映前にイギリスBBC製作の「キ−トン・決死の演技に賭けた男Ⅰ〜Ⅲ」を観てもらった。これはバスタ−・キ−トンの人物と仕事を知る上では必見のドキメントである。

「キ−トンの大列車追跡」監督・主演:バスタ−・キ−トン/助演:マリアン・マック/グレン・キャペンダ−
★機関車ジェネラル号を恋人と同じくらい愛している機関士ジョニ−・グレイ。南北戦争勃発後、北軍のスパイに恋人が乗っているジェネラル号を奪われ、彼は愛する者を取り戻そうとすさまじい奮闘を繰り広げる…。(CINEMA CLUB)

◎1926年に作られたとは思えないほどに大仕掛けなスペクタクルが展開される終盤の南軍と北軍の戦さのシ−ンには驚くほかはない。そのダイナミックな展開にキ−トンの秀逸なギャグがちりばめられている傑作である。

「キ−トンの船長(蒸気船)」製作・監督:バスタ−・キ−トン/共同監督:チャ−ルズ・F・ライズナ−/出演:バスタ−・キ−トン/ア−ネスト・トレンス/トム・ルイス
★バスタ−・キ−トン・プロダクションによる長編10作目。ミシシッピに学業を終え帰郷したキ−トンが、暴風雨の中、父親の所有する老朽の蒸気船を操って大活躍する。ライズナ−監督はキ−トン喜劇のギャグマン出身。有名な壁倒れや暴風雨のシ−ンのギャグは絶妙である。(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎この二作を一緒に見ていたキ−トンを初めて観る年若い友人が、そのギャグの数々に歓声を上げながら、“これって、ドリフのギャグですよね”という。そう、ドリフの長さんは深く克明にキ−トンを研究していたのである。呑気呆亭