6月27日(土)「エイリアン」

「エイリアン」('79・米)監督:リドリ−・スコット 原案:ロナルド・シャセット 原案・脚本:ダン・オバノン 撮影:デレク・ヴァンリント 音楽:ジェリ−・ゴ−ルドスミス 特撮監督:ブライアン・ジョンソン/ニック・アルダ− 出演:トム・スケリット/シガニ−・ウィ−バ−/ジョン・ハ−ト/ヤフェット・コット−/ハリ−・ディ−ン・スタントン/ベロニカ・カ−トライト
★弱点を持たない異生物の恐怖を描いたSFホラ−。未知の知性体からの電波を傍受した宇宙船ノストロモは、調査のために、ある惑星に着陸した。彼らはそこで異様な宇宙船を発見。内部にあった卵から飛び出したエイリアンが乗組員ケインの顔面に付着する。ケインとともに船内に運び込まれた恐るべきエイリアンは、やがてケインの胸を突き破り、さらに大きく成長して、次々乗員を襲っていく。3形態に変態し、生理的嫌悪感すら抱かせるH・R・ギ−ガ−のデザインによるエイリアンの造形がすさまじいが、何より目を奪うのは、ひとりでエイリアンと戦う、女性乗組員リプリ−の英雄的活躍である。(ぴあ・CINEMA CLUB)
★H・R・ギーガーを始めとする美術の素晴らしさと、光と闇・水・蒸気・炎を巧みに駆使した演出が、単純なプロットのこの作品を一級のSFホラーへ昇華させた。基本設定は「恐怖の火星探険」(58)から戴いているとの噂あり。公開当時から話題になっていたダラス船長の・・・のシーンはLD、DVDに映像特典として収録されているが、それらのシーンを追加した「エイリアン/ディレクターズ・カット」が03年に製作された。<allcinema>

◎録画してあった吹き替え版で見て、エイリアンを探しに通風口に潜り込んだ船長のその後が一向に描かれていないのと、リプリ−によって宇宙に吐きだされロケット噴射で焼き殺されたはずのエイリアンが、何故「エイリアン2」で甦ったのかが、当時リアルタイムで観た時の記憶が定かでなく気になって、「エイリアン/ディレクターズ・カット」を購入して観てしまった。船長のこととは納得出来たのだが、その後のエイリアンとのリプリ−の戦いが気になって、とうとうレンタルで2、3、4まで借り出して見てしまったのだった。リドリ−・スコットという演出者の良さは細部へのこだわりにあり、'82年の「ブレ−ド・ランナ−」ではハリソン・フォード演ずるデッカ−ドが元の上司に呼び付けられるシ−ンで、クレ−ンで持ち上がったキャメラがその部屋の屋上に積もった埃を写し出していたことに驚嘆したのだったが、先行するこの作品でも長編映画初演出にもかかわらずそのこだわりを貫いていたことを、この「ディレクタ−ズカット」で知ることが出来た。呑気呆亭