5月13日(水)「チャイナタウン」

「チャイナタウン」('75・米)監督:ロマン・ポランスキー 脚本:ロバ−ト・タウン 撮影:ジョン・A・アロンゾ 音楽:ジェリ−・ゴ−ルドスミス 出演:ジャック・ニコルソン/フェイ・ダナウェイ/ジョン・ヒュ−ストン/バ−ト・ヤング
★'60年代ポ−ランド映画を代表するポランスキ−がアメリカで製作した、ハ−ドボイルド映画の傑作。'37年のロサンジェルス。私立探偵ギテス(ニコルソン)のもとに、ミセス・モ−リ−と名乗る女がやって来る。ところがそれは、モ−リ−という人物に仕掛けられた罠だった。それを知った本物のモ−リ−夫人(ダナウェイ)がギテスの事務所を訪れた直後、モ−リ−の溺死体が上がった。調査を始めたギテスは、事件の裏にモ−リ−夫人の実父で政界の黒幕のクロス(ヒュ−ストン)の存在を見出すが・・・。ニコルソンの好演はもちろん、異様な輝きを持った目で宿命の女を全身で演じ切るダナウェイが圧巻。頽廃ム−ド漂う30年代ロサンゼルスの風俗を克明に写し出すカメラも出色だ。(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎ギテス(ニコルソン)の鼻をナイフで切り裂く気持ちの悪い存在感の小男がポランスキ−だと知って驚いた。出てくる役者さんたちがそれぞれに独特の存在感を発散するので、物語の進行を追いながら映画を観るという醍醐味をタップリ味わうことが出来た。以前にも書いたことだが、この映画と「さらば愛しき女よ」を、今はなくなってしまったあの「新橋文化劇場」で観ることが出来たらなあと切に思ったことだった。呑気呆亭