11月1日(土)「恋人よ帰れ!わが胸に」

「恋人よ帰れ!わが胸に」('66・米)製作・監督・脚本:ビリ−・ワイルダ− 脚本:I・A・L・ダイアモンド 撮影:ジョゼフ・ラシェル 音楽:アンドレ・プレヴィン 出演:ジャック・レモン/ウオルタ−・マッソ−/ロン・リッチ/クリフ・オズモンド/ジュディ・ウエスト/ハリ−・ホルカム
フットボール中継中に黒人選手ジャクソンにタックルされて病院送りとなったTVカメラマンのハリー。狡賢い義兄の弁護士ウィリーは、半身不随を装わせチームやスタジアムから100万ドルの損害賠償をせしめようとする。逃げた女房恋しさにウィリーの提案を呑むハリーだったが、責任を感じて看護人となるジャクソンの姿を見ると、ますます気乗りはしてこない…。人情喜劇を撮らせたら右に出る者のないB・ワイルダー作品で、脚本はI・A・L・ダイアモンドとの名コンビ。こういう人物を演じさせたら天下一品のレモンもいいが、やはり太々しいキャラが爆発しているマッソーが傑作だ(アカデミー助演男優賞受賞)。<allcinema>

◎保険会社から100万ドルをせしめようとするハリ−(レモン)の義兄の弁護士ウィリー(マッソ−)と、保険会社側の雇った私立探偵パ−キ−(オズモンド)の駆け引きが、両者のキャラクタ−がかち合って絶品のコメディとなっている。動けぬレモンは両者に対抗するべく車椅子で動き回るのだが文字通りハンディがあるので、残念ながらこの作品では両者に敗北を喫するハメになってしまったのだった。ウイ−ン生まれのワイルダ−がアメリカの象徴であるフットボ−ルを題材にコメディを作るとは、ワイルダ−らしい皮肉が感じられる作品であった。呑気呆亭