2月13日(木)「大喧嘩」

「大喧嘩」('64・東映)監督:山下耕作 脚本:村尾昭/鈴木則人/中島貞夫 撮影:鈴木重平 美術:富田次郎 音楽:木下忠司 出演:大川橋蔵/十朱幸代/穂高稔/河原崎長一郎/入江若葉/松浦築枝/加藤嘉/丹波哲郎
小田井宿を仕切る勝場一家から渡世の旅修業に出た榛名の秀次郎(大川橋蔵)は、勝場一家の親分藤兵衛(加藤嘉)の一人娘おかよ(十朱幸代)に別れを告げた。3年後帰って来た秀次郎は、おかよが堅気の十手持ちになった兄弟分の浅井の伊之助(穂高稔)の妻になったことを知る。一方勝場の縄張りを狙う赤岩の亀蔵遠藤辰雄)は挑発的な態度を見せていた。一方藤兵衛の兄弟分上州屋仁右衛門(金子信夫)は、剣の達人の浪人三鬼剛太郎(丹波哲郎)を使い、赤岩・勝場を争わせ、漁夫の利を得ようとしていた…。〈allcinema=黒美君彦〉

◎製作者側の意図がラストの大喧嘩(でいり)を見せるための映画であるからして、秀治郎(大川)とかよ(十朱)のなれ初めや交情の描き方がお座なりなので、今一この二人と秀治郎の兄弟分の伊之助との運命に感情移入が難しかった。しかし、さすがにラストの延々と続く大殺陣はリアルで見応えがあった。浪人三鬼剛太郎(丹波)の扱い方も面白く作品にサビを効かせていた。呑気呆亭