11月26日(木)「スイ−ト・スイ−ト・ビレッジ」

「スイ−ト・スイ−ト・ビレッジ」('85・チェコスロバキア)監督:イジ−・メンツェル 脚本:ズデニェク・スベラ−ク 撮影:ヤロミ−ル・ショフル 音楽:イリ・ブロゼック 出演:ヤ−ノシュ・バ−ン/アリアン・ラブダ/ルドルフ・フルシンスキ−/ペトル・チェペック/リブシュ・シャフランコバ−
チェコの小さな村を舞台に、ちょっと頭の弱い青年と彼の相棒で父親代わりの男の二人を通して、村の楽しくもあわただしい日々を心暖まるタッチで描いた優しい映画。のどかな田舎の風景と生き生きとした登場人物達が何よりも魅力的。話らしい話が無い訳でもなく、繰り広げられる数々のエピソードも愉快。<allcinema>

◎最初は見ていると頭が弱く無駄にのっぽなオチェクの間抜けさに腹が立ってくる。オチェクとは対照的な短躯で太った体格の相棒パヴェクがイライラするのも無理はない。その二人の仲を中和し結び付ける媒体として、詩人で夢想家で運転音痴のドクタ−が物語の狂言回しをする。不倫有り、陰謀有り、事故有り、喧嘩有り、祭りの騒ぎ有り。笑わせるのが、トラクタ−に男が轢かれたと聞いて駆け付けたドクタ−が発見したのが、畑に残った人型だけで犠牲者の跡形もなく、脇でピョンピョン跳ねる不死身の男を発見するというギャグで、このギャグは後にドクタ−がブレ−キを掛け忘れた自分の車に轢かれるエピソ−ドに受け継がれたりして、全編にさりげなく伏線を置きながら、思わぬ所でギャグを入れて行くという、実に巧みに造られた物語りである。ラストは仲直りしたオチェクとパヴェクの凸凹コンビのぴょんぴょんと跳ねる息の合った歩行のギャグでありました。呑気呆亭