3月10日(火)「ラブホテル」

「ラブホテル」('85・D・C)監督:相米慎二 脚本:石井隆 撮影:篠田昇 編集:冨田功 音楽:林大輔 出演:速水典子/寺田農/志水季里子/益富信孝/中川梨絵/尾美としのり/萬田久子/木之元亮/飯島大介/伊武雅刀/佐藤浩市
相米慎二が監督した唯一のロマンポルノ。経営する会社が倒産し、妻をヤクザに犯されてしまう村木。身も心もボロボロになり、自殺を決意して、最期の金で女を買う。しかし、ホテルに呼んだ名美をいたぶる村木は、その官能的な姿勢に生きる希望を見出して、タクシ−・ドライバ−として再起。2年後、再び名美と出会う・・・。相米長回しが心地良いリズムを刻む、感度抜群の大人のメロドラマに仕上がった。山口百恵の「夜へ・・・」をBGMに使った音楽センスも光っている。(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎「ラブホテル」という題名とにっかつロマンポルノの作品ということで、スケベ心を刺激されてフラリと入った映画館で見たのが初見。いきなり暴行シ−ンが連続するので辟易したり興奮したりしたのだったが、いつもながらのポルノ映画を観るときの索漠感に襲われて目を閉じようとしたワタクシの横っ面を張り飛ばしたのが、聞こえて来た異様なト−ンの唄♪夜へ・・・であった。この異様な歌声の主が山口百恵だと知ったのは映画を見終えてからだった。それから探し求めて村木が名美に贈ったLPアルバムと同じモノ「A Face in a Vision」を手に入れ、以来ワタクシの百恵狂いが始まったのだった。中古レコ−ド屋を経巡って手に入れた山口百恵のアルバムは、他に「COSMOS」「曼珠沙華」「L.A. Blue」「春告鳥」「メビウス・ゲ−ム」「不死鳥伝説」「This is my trial」など彼女が18歳以後発表したLPアルバムの全てであった。あれっ、映画の話は?呑気呆亭