3月7日(土)「狼は天使の匂い」

狼は天使の匂い」('72・米=仏)監督:ルネ・クレマン 原作:デビッド・グ-ディス 脚本:セバスチャン・ジャプリゾ 撮影:エドモン・リシャ−ル 音楽:フランシス・レイ 出演:ロバ−ト・ライアン/ジャン・ルイ・トランティニヤン/レア・マッサリ/アルド・レイ/ジャン・ガヴァン
★とある誘拐計画を企てた、しがない男たち。一時は成功したかに見えたその計画はやがて破綻をきたし、彼らを待っていたのは意外な結末だった…。ベストセラーとなった同名小説(原題『Black Friday』)を仏の名匠ルネ・クレマンが映画化。J=ルイ・トランティニャン、R・ライアンの共演という、いぶし銀の顔合わせが実現した。ソフトな作風のせいかパンチに欠けるきらいはあるが、仏フィルム・ノワール後期の作品としては印象に残る。
<allcinema>

◎ジプシ−の報復人に追われる男と、マフィアの犯罪を証言する少女(既に死んでいるのだが)を警察の保護所から誘拐して、その見返りにマフィアのボスから100万ドルをせしめようとする外れ者のグル−プがひょんなことから出会って、葛藤はありながらも男を受け入れたグル−プが犯行に向けて計画を進めて行くというややこしい物語なのだが、今の時代に見てみるとジプシ−やアラブ系の人々に対する偏見がそこここに覗われて、どうも気持ち良く物語に入り込むことが出来なかった。出演者の中では主演の二人よりもレア・マッサリの色気とアルド・レイの哀れさとジャン・ガヴァンの独特な存在感が記憶に残った。呑気呆亭