3月6日(金)「ジュニア・ボナ−」

「ジュニア・ボナ−」('72・米)監督:サム・ペキンパ− 脚本:ジェブ・ロ−ズブルック 撮影:ルシアン・バラ−ド 編集:ロバ−ト・ウルフ 音楽:ジェリ-・フィ−ルディング 出演:スティ−ブ・マックイ−ン/ロバ−ト・プレストン/アイダ・ルピノ/ベン・ジョンソン/バ−バラ・リ−/ジョ−・ドン・ベイカ−/メアリ−・マ−フイ
★ロデオ大会に出場すべく、アリゾナ州プレスコットに帰ってきたジュニア・ボナー。だがしばらくぶりに見る故郷の変わりようは彼にとって驚きというより幻滅に近かった。ジュニアは、ひとり変わらぬ父、エースと共に大会に赴く…。ロデオという荒々しい“儀式”を通して、失われゆく西部の姿を描いたペキンパーの傑作ドラマ。彼の持ち味がバイオレンス描写だけでない事は周知の事実だが、この作品にはもうひとつの持ち味である詩情が溢れている。マックィーンの朴訥な存在感も良く、胸に迫る一編となった。
<allcinema>

◎導入部は例によってカットバックが多用されているのだが、「ワイルド・バンチ」「砂漠の流れ者」ほどの快感が感じられなかったのは、編集者(全2作はル−・ロンバ−ド)の腕の違いによるものだろう。リアルタイムで見たときにはブルト−ザ−がボナ−の生家を壊すシ−ンの迫力が記憶に残ったのだが、今回見直してみてこれはやはり父と子の物語なのだなと納得したのだった。呑気呆亭